トノログ

漫画家・冬乃郁也のお仕事情報&日記です。

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東京都青少年保護育成条例改正に反対します

5月にも書きましたが、改めて東京都青少年保護育成条例改正案に対し、反対致します。

インターネット上などでも情報が流れていますので、お聞き及びの方も多いと思いますが、6月に否決された条例案がまた内容の一部を変更して再提出されました。
今回は6月に否決された内容から、大変衝撃的だった「非実在青少年」という文言が消されたり、表現方法が変更になりましたが、内容的にはほぼ変わらない……むしろ改悪とも言える物になりました。

詳細はまとめサイトや専門家の方のサイトなどで説明されているので、そちらを良く読んでください。

山口弁護士大いに語る

東京都青少年健全育成条例改正問題のまとめサイト

ネット上ではたくさんの情報が交錯しておりまして、一部デマや、賛成派、反対派に対する誹謗中傷などが相次いでいます。

私自身、今回のいろいろな情報や発言等々に対して、いろいろ思うところも、腹立たしく思う場面も多々ありました。


駄菓子菓子!


……みんな、まずは落ち着こう。


今がそんな場合じゃないことも分かっています。
もうすでに条例案が提出され、審議に入っていることも十分に理解しているつもりです。

ですが、こんな時だからこそ、もう一度じっくりと今何が起きていて、何が良くて、何が悪いのか。
自分はどういう考えから、どういう立場に立つか。
そして、その立場からどういった活動をすることができるのか。
よく考えてみませんか?

ただ闇雲に反対しても(ある意味、今は緊急事態ですので有効かも知れませんが)「これから」につながっていかない気がしています。

先日twitterでこんなブログを紹介してもらいました。

母親の皆さんに 児童ポルノ法&東京都青少年健全育成条例改正問題について

賛成してるから敵、反対してるから味方、そういう単純な話ではないなとしみじみ思いました。
むしろ、これから私たちができることを考えなければと思いました。

実際に、この問題は表現の自由を損なうかも知れないという大きな問題がまずあります。
これは本当に大変な問題なんですが、いまいち現実味がないというのが実際かと思います。

じゃあ、好きな漫画が読めなくなるかも知れない、という言い方をしたとします。
しかしこれも、いまいち説得力がありません。
漫画が読めない日常よりも、キャベツが高い日常の方が切実です。
キャベツよりも漫画が大事という私のような人間は(笑)やはり少数派です。

世の中のゾーニングや表現に本当に問題がないのか、これも突きつけられれば痛いわけです。
BLやTLというセックス表現も含まれるジャンルの漫画を描いているのは事実ですし、それが世間からどういった目で見られているかも理解出来るからです。
決して、自分の仕事や描いているジャンルに対して引け目はありません。
堂々と、BL漫画家であることも名のっていますし、それ自体に何ら恥じることはないと思っています。

以前、笑い話のように描いたことがありますが、私の両親は私の仕事の内容を知っています。
初めて父にばれた(笑)時、私の部屋に入り大量のその手の資料本や著作を見て、かなりのショックを受けたようでした。
父は「もうお前は、地元に帰ってこなくていい……」と言いました。
彼には全く理解ができなかったようです。
自分の娘がポルノまがいのマンガを描いているという事実を否定したかったのでしょう。

しかし、今は私の仕事を「今はエロ漫画を書かないと食っていけないから、なりふり構わず描いているに違いない」と美しい誤解をしてくれているようです(笑)
それじゃだめなんじゃない?と思うかも知れません。
いいんです。彼なりに私を理解しようとしてくれた結果なんですから。
その代わり、彼の期待にもいつか応えられたらいいなと思っています。

友人たちにも、ご両親には内緒にしていると言う人は多いです。
では、それが見つかってしまったら?
きっと理解してくれる、ぎくしゃくする、勘当される、反応はいろいろでしょう。

BL本を隠して読んでるという方もいらっしゃるでしょう。
でも、もしそれが家人の方に見つかってしまったら……
感情的にケンカをする、理解してもらうよう努力する、断絶……それこそ反応はいろいろですよね。
どうやっても理解してもらえないのが分かっているから隠してる、と言う方もいらっしゃると思います。

今反対派と賛成派の間で起こっているのは、こういうことなのではないでしょうか。

要するに、今の状況って、その隠してたBL本がみつかっちゃったって状況に近いと思うんですよね。
今まではちょっとしかなかったので、押入の済みに隠しておけたのが、だんだんあふれかえってきてしまって、押入がいっぱいになっていて、うっかり探し物にきたオカンにみつかっちゃった!……みたいな(笑)
BLの部分がロリ、とかエロとかに置き換えたら一緒ですよね。

さて、みつけちゃったオカンをどう説得するか。
ここからが問題なのです。
リアルオカンなら、ケンカしてほとぼり冷めてうやむやにできなくもないでしょうけど(笑)

賛成派の人たちにもいろいろなタイプがいると思います。
性に関して子供に見せることが、嫌で嫌で仕方ない人たち。
特に興味はないけれど、反対する理由のない人たち。
前者については、歩み寄りすら難しいかも知れませんが、後者については、話し合いで解決するかも知れません。

これから必要になってくることは、この特に興味はないけれど反対する理由のない人たちが理解してくれることなのかもしれません。

私の父のように、賛成派の人たちがこちら側を「彼らなりに理解するための美しい誤解」をしてくれるところまで、持って行ければと思うのです。
そして、反対派も賛成派の人たちの美しい誤解に対して、それなりの態度やアピールで応えて行ければと思うのです。
子供たちを守りたいと思う気持ちは一緒のはずです。
どうか、一緒に考えていけるよう、切に願います。

これから私たちができること。

もう少しいろいろと考えていきたいと思います。

ま、これはこれから10年も20年もやり続けるべきことと言うことで。
まずは、目先の条例改正を阻止しなければなりません。

私も少し時間ができたので、意見書など出そうと思います。

| 日記 | 09:34 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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